今日は午後から富山で、無料相談の方のコンサルテーション。
インプラントしか治療法はないと説明を受けて治療を進めているが、本当にそうなのかというご相談。
よくよく伺ってみると、確かに腑に落ちないお話もあり、かなり困惑されているようでした。
3本分のスペースしかないのに、インプラントを4本埋入するという左下奥歯の治療計画。
右下の治療計画は6番を抜歯してインプラント。何にも悪くない隣りの7番を削りブリッジにして、仮歯をセット。理解できないのは、その7番の対合歯がないこと。
対合がない7番を何故削る必要があるのか。その7番が痛くなってガマン出来なくて神経を取った。
何とか神経の処置を受けているが、痛みが取れないので何とかして欲しいという訴え。。さらに奥歯がなくて前で咬んでいるせいか、前歯が痛くて治療が必要。セラミックを外さないで治療ができるか。。

もうインプラントがどうという話ではなくなっています。

この方の難しいのは、痛みに敏感であること。抜歯、骨造成、神経の処置いずれも治りが良くない。痛みが持続している。
そして噛む力が非常に強い。オーバーデンチャー、入れ歯も可能だが、スペースが不足気味。治療後のトラブルとしては、インプラント周囲炎などがりあり、、とこんな感じで1時間程。
補綴専門医の診察はこんなスタイルです。とにかく最初の問診にじっくり時間をかけて、現状に至った原因の分析と治療可能かゴールを見立てます。それから資料採得と診査、診断。具体的な治療法のオプションを提案し同意を得て、やっと治療が始まります。
ここまでの準備、治療計画が決まった時点で、頭の中ではゴールをイメージ出来ていて、あとは患者さんにもしつこいくらいに毎回今何をしているか、これから何をするのか治療毎に説明します。
診断がついて治療計画が決まれば、あとの治療は、一緒に働く一般歯科医のドクターや各科専門医と協力しながら進めていきます。
富山には20年ぶり歯科医院に来たという方が多いので、それほどでもないのですが、都内で働いて思うのは、治療、スキルより、診断、アタマの部分、客観的で筋の通った説明を歯科医に求めている方が本当に多い。
日本の歯科医には、もっと「知性」がもとめられている。

というのは、言い過ぎでしょうか。。