ガラス美術館へ行ってきました。内部は図書館併設、隈研吾氏は立山連峰にインスパイアされたそうですが、私はこの美術館に完全にインスパイアされました。六本木ヒルズのスターバックスが、、、あそこも好きな場所ですが、ガラス美術館はスケールが圧倒的でした。
そして作り込まれたガラスで出来た美術品の数々。
Dentistry、歯科医学はサイエンスであり、芸術(技術)である。とよく言われます。

日本ではカスタムメイド、オーダーメイドをウリにしている歯科医院は数多いですが、実のところ入れ歯や被せ物を仮歯や排列の段階から作り込んでいる歯科医が、いったいどれだけいるでしょうか。

アメリカの補綴専門医は、補綴科大学院、レジデントの時に、こうしたトレーニングを徹底的に受けます。
このような歯科医としての醍醐味を味わえる人工歯の排列やワックスアップ、仮歯の作成や調整、そのプロセスにこそ、歯科医の能力、腕が問われるべきではないでしょうか。
ワックスの上にこうして人工歯を排列し、
重合して完成させたものがこちら。
ただそこが一般歯科医と補綴専門医との違いと言えるのかもしれません。日本では残念ながら歯科技工士にすべてお任せ、というのが現状でしょう。

補綴専門医は誰もが自分の好みの歯の形や排列デザインをもっているものです。

当然、患者さんの顔貌や口唇とのバランスを考慮しながら行います。手作業で一本一本人工歯を並べたり、素焼きのポーセレンを削り込んだり、盛り足ししながら仕上げていきます。

ですから、完成してセットしたら、「まるで自分の歯のようだ!」とよく患者さんに驚かれます。

これは前歯の審美が気になるという男性の方。
前歯の仮歯を修正しながら、患者さんが納得するまで、理想的な形に作り込んでいきます。
その後、オールセラミックスを素焼きの段階で、もう一度形態修正し、じっくり調整して仕上げました。

こうして一人一人の患者さんに最もふさわしい形、色、大きさなどに合わせて煮詰めていきます。
この方は、レジデント一年目の時に治療したケースです。

上顎は総義歯、下顎は前歯はクラウンで、奥歯は部分床義歯です。抜歯したその日に上下の入れ歯をセットしました。こういったかみ合せの高さを変更するような難しいケースの場合、米国では一般歯科医は治療せず、紹介状を書いて補綴専門医に送ります。

もちろんピッタリする、のは、たまたまということはありません。そこにはエビデンスに基づいた理論、基礎というものが存在します。

あくまで私見ですが、留学帰りの先生方がどちらかというと、エビデンスや論文を強調し過ぎな気もしています。補綴に限るのかもしれませんが、このような理論のベースが共有されている補綴専門医レベルでは、感覚的な話になることも多いです。

結局、最後は「感性」なんですよね。エビデンスは「見るべきもの」、それには基準があります。ただし「見えてくるもの」は違ってくる。それが感性であり、そこをどう鍛えるか。

エビデンス云々も土台、基礎、ベースとして大事ですが、今後主催する講習会では、こういうエビデンスを超えたトピックでディスカッションしてみたいものです。